母集団とサンプル

母集団とサンプル(population and sample)

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母集団とサンプル
母集団とは調査などのためにデータを取得する場合、対象となる原材料や、部品、製品などの集まりをいいます。母集団は、無限母集団(infinite population)と有限母集団(finite population)とに分類されます。
サンプルとは、母集団からその特性を調べるために抜き取るデータのことをいいます。
母集団をあらわす特性を母数、サンプルをあらわす特性を統計量といいます。

 

1. 母集団、ロットとサンプル

統計的品質管理を行う際に最も重要な因子は、母集団(population)および、ロット(lot,batch)サンプル(sample)の理解です。これらの関係を図1に示します。


図1 母集団、ロットとサンプルの関係   

(1)母集団とロット

調査のためにデータを取得する場合、対象となる原材料や、部品、製品などの集まりを母集団と言います。母集団は、無限母集団(infinite population)と有限母集団(finite population)とに分類されます。

ここでは、ボルトの製造会社を想定しましょう。
ボルトの製造会社は会社が存続する限りボルトを製作し続けます。その場合無限大に近い本数のボルトを製作することになります。このボルト製造会社で製造されるボルトのように無限に続くような集団を1つの集団と考えたものを無限母集団といいます。
一方、これを細分化して、複数のボルトの製造設備の内の一つが、ある日に10 000本製造したとするとこの10 000本に相当する単位が有限母集団となります。一般的にはロットと呼ばれます(図2)。


図2 仮想的に考えたボルト製造会社

(2)サンプル(sample)

母集団からその特性を調べるために抜き取るデータをサンプルといいます。試料または標本と同じ意味で使用されることもあります(図3)。また、サンプルとして取り出した5本のことをサンプルサイズといいます。


図3 サンプルの定義

2. 母数と統計量

母集団は、ある分布(連続量の場合はほとんどが正規分布)を持っています。その特性を数量的に表すためには平均値や標準偏差(ばらつき)などが用いられます。母集団に対するこれらの特性は母平均( \( \mu \) )、母標準偏差( \( \sigma \) )などと呼ばれますが、これらの因子を総称して母数(parameter)といいます。
一方、サンプルについて測定したデータから求めた平均値( \( \overline{ x } \) )や標準偏差( \( s \) )などを統計量(statistic)といいます(図4)。


図4サンプリングの概念

同じ母集団から抜き取ったサンプルでも、実際のところばらつきがあり、平均値や標準偏差の値はサンプルごとに異なるはずです。我々が実際に求めることができるのは、サンプルに対するデータです。
そのため、母集団を正しく代表するサンプルを得るためのサンプリングはとても重要です。サンプリングの方法は色々決められていますが、どうすれば全体の製品の平均値やばらつきを表すことができるかと考えられているのです。

 

参考文献
第3版_品質管理入門   石川馨  日科技連
品質管理のための統計手法   永田靖  日経文庫
QC検定2級品質管理の手法50ポイント   内田治  日科技連

図表
図1 母集団、ロットとサンプルの関係
図2 仮想的に考えたボルト製造会社
図3 サンプルの定義
図4サンプリングの概念

ORG:2023/04/14