サンプリングと誤差

サンプリングと誤差(sampling and error)

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サンプリングと誤差
誤差とは、測定値から真の値を差し引いたものと定義されます。
誤差の要因は、サンプリング誤差と測定誤差とがあります。
測定誤差には、系統誤差と偶然誤差とがあります。
偏差とは、測定値と母平均との差で定義されます。
残差とは、測定値と試料平均との差で定義されなす。

 

1. 誤差とは

誤差(error)とは、母集団の情報とサンプルの情報との差異をいいます。誤差は、測定値から真の値を差し引いたものと定義されます。すなわち、

誤差 = 測定値 - 真の値

誤差の要因として考えられるものは、サンプリングの際の誤差(サンプリング誤差)と、測定の際の誤差(測定誤差)とがあります。つまり、

測定値 = 真の値 + サンプリング誤差 + 測定誤差

また測定誤差には、系統誤差と偶然誤差とがあります。
系統誤差:反復して測定するとき、一定のままであるか、または予測可能な変化をする測定誤差の成分と定義されます。一定の場合は「かたより」といいます。系統誤差はその原因が既知の場合もあれば未知の場合もあります。既知の系統誤差は補正(correction)を適用して補償することができます。
偶然誤差:反復して測定するとき、予測が不可能な変化をする測定誤差の成分と定義されます。反復測定によって得られる偶然誤差は、一般的に期待値(平均)がゼロと仮定される分布(正規分布)を持ちます。測定の「ばらつき」は偶然誤差により生じます。

 

2. 偏差と残差

偏差(deviation)とは、測定値と母平均との差をいいます。

偏差 = 測定値 - 母平均

ここで、母平均とは母集団の平均を意味しますが、一般的に無限母集団では求めることは出来ないし、有限母集団でも対象となるデータが極めて多い場合計算が困難です。あくまでも推定されるものになります。

母集団から有限な回数測定を繰返して得られた平均値を試料平均といいますが、通常は母平均とは一致しません。このように有限回の測定値と、試料平均との差を残差(residual)といい、偏差と区別します。

残差 = 測定値 - 試料平均

これらの関係を図1に示します。


図1誤差とばらつき、かたより

 

3. 精度

一般にいわれる精度(総合精度:accuracy)とは、計測器が表す値、または測定結果の正確さ(確度:trueness)と精密さ(精度:precision)を含めた総合的な良さと、定義されます。
正確さとは、かたよりの小さい程度をいい、精密さとはばらつきの小さい程度をいいます。

 

参考文献
QC検定2級品質管理の手法50ポイント   内田治  日科技連
よくわかる2級QC検定合格テキスト   福田清輔  弘文社

図表
図1誤差とばらつき、かたより  参考:よくわかる2級QC検定合格テキスト

ORG:2023/04/16