ねらいの品質とできばえの品質

ねらいの品質とできばえの品質(aimed quality and finished quality)

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ねらいの品質(設計品質)
顧客の要望(要求品質)を正しくつかみ、それに合致したものを作ろうとねらった品質をねらいの品質という。

できばえの品質(製造品質)
ねらいの品質をどのくらい忠実に実現できたか、という点にかかわる品質を、できばえの品質という。

 

ねらいの品質(設計品質)

顧客の要望(要求品質)を正しくつかみ、それを実現するための能力にも十分考慮して、このようなものを作ろうとねらった品質をねらいの品質といいます。ねらいの品質を設計品質ということもあります。
設計品質には、市場調査や、研究開発、製品企画、設計、試作、試験などの各プロセスの結果が全て含まれます。また設計品質は、良い製品とはどのようなものかを設計図や、製品仕様書、品質規格などで具体的に示したものであり、設計のアウトプットの質とも言えます。

できばえの品質(製造品質)

ねらいの品質をどのくらい忠実に実現できたか、という点にかかわる品質を、できばえの品質といいます。できばえの品質は、製造品質や適合の品質、合致の品質といわれることもあります。

ねらいの品質は、設計図や製品仕様書などに定義されていて、設計者が、技術や原価、販売などを総合的に判断して決めたものです。設計段階で決まる、品質のあるべき姿、目指す姿とも言えます。 ねらいの品質は、「顧客の要求にどれだけ合致しているか」が、良し悪しを決める大事な要素となります。つまり、ねらいの品質とは、顧客のニーズを調査し、顧客が満足する製品を考え、それを実現するために設計図に落とし込んだ目標とも言えます。
また、ねらいの品質のレベルを上げることは、顧客のニーズに応えて、顧客満足度に繋がる品質の重要な視点ですが、後工程である製造部門でのものづくりのし易さも考慮すべき重要な視点です。製造できない、製造できても不良率が高ければ意味がありません。

できばえの品質は、実際の製品がねらいの品質で要求されたことをどれだけ満たしているかで、その良し悪しが決まります。一言で表すと、実際の製品がどれだけ設計図面通りに作ることができたかの結果を指します。
製造品質は、製造での作り込みが重要であり、ねらいの品質を目指して製造を行ないますが、そもそものねらいの品質が現実的でない場合、高い製造品質を望むことはできません。 一方で、生産技術部門もねらいの品質を満たすための技術的なハードルを工程設計段階でクリアしなければ、高いできばえの品質を望むことはできません。
製造部門は、作りやすさなどの情報を設計・生産技術部門へフィードバックして、新製品への折り込みなど、技術の蓄積を行う必要があります。

ねらいの品質とできばえの品質の何れもが、製品実現には重要な要素となります。

 

ORG:2022/07/02