プロセス(工程)の考え方

プロセス(工程)の考え方(concept of process)

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プロセス
プロセスとは、「インプットをアウトプットに変換する、相互に関連するまたは相互に作用する一連の活動」をいいます。(JIS Q9000:2006 「品質マネジメントシステム・基本及び用語」)
ここで、
① プロセスのインプットは、通常、他のプロセスからのアウトプットである。
② 組織内のプロセスは、価値を付加するために、通常、管理された条件のもとで計測・実行される。
③ 結果として得られる製品の適合が、容易にまたは経済的に検証できないプロセスは、”特殊工程”と呼ばれることが多い。

 

プロセスとは、プロジェクトを構成する要素です。つまり、プロセスの集まりがプロジェクトになります。様々なプロセスを経て出来た成果物が製品やサービスになります。
例えば、製品が出来上がるには構成要素の各部材の仕様決定、設計・選定から始まり、⼿配、組⽴、検査、出荷などの⼀連の流れを経る必要があります。この⼀連の流れの中にある様々な作業の⼀つひとつ、または幾つかの作業同⼠を⼀くくりにしたものを、プロセス(工程)として分割することができます。

どの様な作業を⼀つのプロセスにするかについては、その作業の⽬的別にグループ分けして考える必要があります。例えば、ある機器を組み⽴てる場合、機械を構成するモジュールの組⽴を⽬的として、モジュール別にプロセスを分割することが多いので、プロセスは作業の⽬的別に分けて考えますが、そのプロセス内でもさらに⼩さな⽬的別にプロセスを分割することもできます。どの単位をプロセスとして考えて管理していくかは、プロジェクトや製造の規模によって調整が必要になります。

どの様な作業でも、インプットからアウトプットの形をとりますが、作業の規模や複雑さによって、インプットからアウトプットまでの流れの中に様々な作業が発⽣する事になり、場⾯に応じた技術や知識、ツールが必要になってきます。プロセスを、インプットからアウトプットまでの⼀連の作業を⽬的ごとに細分化する事で、プロセス毎に必要な技術や教育、ツール等が明確になります。

プロセスを明確にするという事は、プロセス毎にどういった成果物を出す必要があるか、プロセス毎の責任を明確にする事です。プロセス毎に責任をもって確実な成果物を次のプロセスにつなげていく事が、品質を安定させるためにも、また、問題が発生したときの調査や対応を効果的に⾏うためにも必要です。

プロセスを分けることにより、プロセス毎に必要な技術や知識・ツールを具体的に漏れなく考えられるようになります。通常、その内容(技術、知識、ツールなど)はプロセス毎に異なります。

補足
プロセスの考え方は、JIS Q9001:2015 でも、重視されています。JIS Q9001では、企業での活動はすべてプロセスと考えて、それらを首尾一貫したシステムとして相互に関連させることにより、付加価値を生み出す活動になると考えています。JIS Q9001の「単一プロセスの要素の図示」を示します。

図 単一プロセスの要素の図示(JIS Q9001:2015)

 

 

参考文献
よくわかる2級QC検定合格テキスト   弘文社
品質月間テキストNo.398   日科技連

引用図表
図 単一プロセスの要素の図示(JIS Q9001:2015)

ORG: 2023/01/04