維持と改善

維持と改善(Maintenance and improvement)

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維持と改善

維持
維持とは「仕事の出来栄えを望ましい状態に安定させ維持していくこと」で、日常管理活動の内、維持活動といわれるものです。現状維持の活動を主体とします。⾔い換えれば、現状よりも悪くなることを防ぐための管理です。
現状維持の活動とは、今までうまくいっていたものに異常が発生したり、レベルが下がったりしたものに対してその原因を追究し、それを排除して元のレベルに戻す活動です。
現状を維持する活動では、SDCAのサイクルを回すことが重要になります。

改善
改善とは、維持活動を進める上で、日常業務で発生する不適合品や異常、3ム(ムリ・ムラ・ムダ)などの問題点を発見したら、その原因を特定して、対策を実施し、効果が確認されるまで試行錯誤を繰り返して、効果が確定されれば、再発防止をはかるために業務を標準化するまでの活動をいいます。
改善活動が完了すれば、その状態を維持するための維持活動に戻ります。
改善活動を行うにあたっては、PDCAのサイクルを回すことが重要です。

 

 

以下に示す、維持及び改善についての考え方は、JIS Q9026:2016「マネジメントシステムのパフォーマンス改善-日常管理の指針」に示される日常管理の考え方とは異なります。管理人は趣旨はほぼ同じと考えていますが、気になさる方は規格を御読みください。

総合的品質管理(TQM:Total Quality Management)とは、顧客及び社会のニーズを満足する製品やサービスの提供、および働く⼈々の満⾜を通した組織の⻑期的な成功を⽬的とし、プロセス及びシステムの維持、改善及び⾰新を、全部⾨及び全階層の参加を得て⾏うことで、経営環境の変化に適した効果的かつ効率的な組織運営を実現する活動をいいます。
TQMの中で中核となる活動は、プロセス及びシステムの維持、改善及び現状打破です(図)。

図 日常管理活動と現状打破   ORG

これらについて簡単に説明します。

(1)維持
狭い意味の日常管理活動になります。「仕事の出来栄えを望ましい状態に安定させ維持していくこと」で、現状維持の活動を主体とします。⾔い換えれば、現状よりも悪くなることを防ぐための管理です。⽬標を現状またはその延⻑線上に設定して、⽬標から外れないようにし、外れた場合にはすぐに元に戻す活動です。

(2)改善
日常管理活動で、現状を維持するための維持活動を進める上で、発生する不適合や異常、3ム(ムリ・ムラ・ムダ)などの問題点を発見したら、その原因を特定して、対策を実施し、効果が確認されるまで試行錯誤を繰り返して、効果が確定されれば、再発防止をはかるために業務を標準化するまでの活動をいいます。改善活動が完了すれば、その状態を維持するための維持活動に戻ります。

(3)現状打破
日常管理活動で維持・改善活動が、主として自職場の課題を潰し込んで工程を安定化させるのが主目的であるのに対して、顧客のニーズや経営環境の変化に対応するために、戦略・⽬標を⽴てて、その達成のために取り組む必要のある全社課題や部門をまたがる課題を解決するために、目標を現状レベルから一段も二段も高い所に置いて、従来のやり方や考え方から発想の転換を行い、新しいやり方に変えるための活動が、現状打破の活動です。
現状打破の活動でも、PDCAのサイクルを繰返し回すことが重要です。

良い仕事とは何かを考えてみましょう。
一つは、標準に従って作業することにより、目的に合致したばらつきのない製品やサービスを安定・継続して生み出していくことといえます。これを維持活動といいます。そのためには、適正な標準の設定をしたり教育・訓練が必要となります。しかし、取り巻く環境は常に変化していくので、よい製品やサービスを常に安定・継続して生み出していくには、同じ標準で同じ仕事の仕方をただ漫然と繰り返していたのでは、本当の意味での維持を継続していくことはできません。そのためには、SDCAのサイクルを常に回していくことが必要となります。

もう一つは、維持活動を進める上で発生する問題点の潰し込みにより、現在の品質をより良くしたり、原価を下げたりするために、仕事の間違いを減らしたり、他部門(特に後工程の人たち)が仕事をやりやすく喜んでもらえるために、仕事のやり方を変えたりすることです。これを改善活動といいます。当然、作業を効果的かつ効率的に行うための技術や技能を向上させることも大切です。

これら維持活動と改善活動とを合わせて、大きくは日常管理活動といわれるものです。ものづくりに携わる私たちが行うべきことは、良好な状態を維持し続ける活動とともに、製品やサービスの品質、さらにそれを生み出す仕事の質を、より良いものに改善していく活動の両方が必要です。

このような管理活動を全ての組織、全ての人が継続的に実践し、それを通じて仕事の質や人の質を高めていくことができれば、製品やサービスの QCD も向上し、結果として、売上げ・利益といった経営目的をも効率的かつ持続的に達成していける良い体質の組織になっていくのです。

ただ、現代は顧客のニーズや経営環境が目まぐるしく変化しています。これらの変化に対応するためには、戦略・⽬標を⽴ててその達成のために取り組む必要のある、全社的な課題や部門をまたがる課題を解決するために、目標を現状レベルから一段も二段も高い所に置いて、従来のやり方や考え方の延長では無い、発想の転換を行い、新しいやり方に変えるための活動である、現状打破の活動が必要とされています。

 

参考資料
JIS Q9026:2016:マネジメントシステムのパフォーマンス改善-日常管理の指針

 

引用図表
図 日常管理活動と現状打破   ORG

 

ORG: 2022/04/01