当たり前品質と魅力的品質

ねらいの品質とできばえの品質(aimed quality and finished quality)

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当たり前品質
「充⾜されないと不満だが、充⾜されても当たり前と思われる品質要素」。製品に当たり前に求められる最低限の品質。

魅力的品質
「充足されても不満はないものの、充足されるとうれしい品質要素」。製品に必要な要素を超える付加価値が付いた品質。

 

物理的な充足度と満足度との関係を二元的にとらえる方法として、狩野紀昭博士により提唱されたのが、「当たり前品質・魅力的品質」です。

当たり前品質

当たり品質とは、「充⾜されないと不満だが、充⾜されても当たり前と思われる品質要素」をいいます。つまり、製品に当たり前に求められる最低限の品質です。
当たり前品質とは、お客様が「この製品は最低限この品質を満たしているはずだ。」とか、「この製品はこの品質を持っていて当たり前だ。」と思っている品質のことです。
例えば、自動車で考えると、「安全に走行することができる」といった品質となります。当たり前品質が満たされても、お客様は特に満足を感じることは無い一方、満たされないと不満を感じる要因となります。

魅力的品質

魅力的品質とは、「充足されても不満はないものの、充足されるとうれしい品質要素」をいいます。
つまり、製品に必要な要素を超える付加価値が付いた品質のことです。
例えばこれについても自動車で考えると、「外観がスポーツカーの様で、内装はラグジュアリーで高級感がある」というように、満たされていなくても特に不満に要因にはならない一方、満たされることでお客様の満足に結びつく品質です。

狩野モデルでは、さらに魅力的品質と当たり前品質との間にあって、通過点になる一元的品質も提唱されています。

 

一元的品質

一元的品質とは、「充足されないと不満、充足されるとうれしい品質要素」をいいます。
つまり、一元的品質とは、自分が求めている品質に、与えられた品質が満たない場合は残念に感じ、満たされれば満たされるほど、申し分なく感じる品質を意味しています。充足度合いに比例して満足度が上昇します。
これも自動車を例に例えると、バッテリーの持ち時間は、稼働時間が長ければ満足の度合いが大きいし、短ければ不満を感じます。

これら3つの品質は、顧客の立場から分類した品質要素になります。狩野モデルで示されるもので、一般的には、ある製品の品質に対する評価は、時代を経て

「魅力的品質」⇒「一元的品質」⇒「当たり前品質」と推移していきます。

また、この他に顧客の立場から分類した品質要素として、無関心品質、逆評価品質があり、これらを合わせて、5つの顧客要求品質ということがあります。

無関心品質

無関⼼品質とは、「充⾜されてもされなくても、不満もうれしくもない品質要素」をいいます。
例えば、自動車で考えると、ユーザーから⾒えない部分の塗装⾊や、⾒えない程度の小さなキズは顧客満⾜に影響しないため、無関⼼品質と⾔えます。

逆評価品質

逆評価品質とは、「充⾜されると逆に評価を下げる品質要素」をいいます。
例えば、ある顧客は満⾜するが、別の顧客は不快に思うケースがあります。買い物をしていて、丁寧な接客を受けると、店員に対して良い印象を持つ人もいれば、逆に煩わしく思う人もいます。

 

 

ORG:2022/07/03