プロセス重視

プロセス重視(Process Oriented)

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プロセス重視とは、結果のみに着目するのではなく、結果を生み出すプロセス(過程)を重視する考え方をいいます。品質管理の観点で考えると、結果に至るまでの過程(プロセス)にこそ、重要なノウハウの情報が詰まっており、結果だけを重視するのでは、再現性の保証が得られません。

 

[プロセス重視が有効な理由]

プロセス重視の考え方が有効な理由として、以下の2点が考えられます。

①同じようにプロセスを進めることにより、結果に再現性を求めることができる。

 品質管理の例でいえば、例えば業務改善を行う場合、「原因調査 → 対策検討 → 効果確認」という大枠の流れがあります。これらのプロセスを順に踏んで実行していくことが大切です。
たとえ、担当者が新人に代わっても、大枠の流れがあり、それに基づいてプロセスを着実に進めてもらえれば、多くの場合、期待される結果が得られるでしょう。

②うまく再現できない場合でも、得られるものはある。

 場合によっては、同じ手順でプロセスを進めたつもりでも、期待される結果が得られない場合があります。
例えば、原材料や、設備のわずかな違いによる、避けられない原因(偶然原因)によるばらつきや、何らかの異常の影響(異常原因)によるばらつきが考えられます。
しかし、期待した結果が再現しなかったとしても、その過程を振り返って詳細に考察することにより、なぜ再現しなかったか、その原因を分析することができます。
過程を詳細に検討することにより、例えば前提条件が異なっていることが発見できるかもしれません。あるいは、今まで知り得なかった新たな因果関係を見つけることができるかもしれません。

 

[プロセス重視、実践ポイント]

①プロセスを忠実に記録する。

プロセス重視を実践するポイントとして、まず忠実に記録することを心がけましょう。手順や条件の記録が不完全だと、あいまいな情報しか残りません。正しく再現できない原因が、偶然原因や未知の異常原因なら仕方ない面もありますが、ヒューマンエラーによる異常で再現できないのは避けなければなりません。
特に、他の人に引継ぎをする場合、詳細でかつ正確にプロセスの記録を残すようにしないと、混乱のもとになるだけです。

②理屈と紐づけを行う。

プロセスとは、因果関係でつながりながら進められていくので、論理的に整理できていないプロセスは意味を持ちません。
なぜ、なぜ...と問いかけを繰返しながら、プロセスの流れが、つじつまが取れているか確認するようにしましょう。

③きちんと資料として残す。

因果関係を、論理的に整理して資料化して、企業の財産として残すことが重要です。
品質管理におけるプロセスは、ただ単に過程や工程と訳されるものではなく、情報が詰まった資産なのです。同じ失敗を繰返すことは、時間のムダでしかありません。
我々は匠の技を伝えようとしているのではありません。その人にしかできない、属人性の高い再現性が低い技術の残し方は、組織として絶対に避けなければなりません。
きちんとした資料を残すことで、実行したプロセスを資産とするようにしましょう。

ORG:2022/06/17