QC工程図、フローチャート

QC工程図、フローチャート(QC process chart, flow chart)

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QC工程図(QC工程表)(QC process chart(table))
QC工程図とは、「一つの製品の原材料、部品の供給から完成品として出荷させるまでの工程を図示し、この工程の流れに沿って、誰が、いつ、どこで、どのように管理したらよいかを定めたもの」です。
QC工程図には、工程の流れを明確にするために工程図記号を記載する場合が多いです。

フローチャート(Flow chart)
フローチャートとは、「工程やプロセス、システム、アルゴリズムなどの各ステップを、その処理の内容に対応した箱状の記号で表し、それらのステップ間のつながりを矢印で示したもの」をいいますが、QC検定でフローチャートというのは、我々が通常使用しているものと言うよりは、QC工程図の工程記号として示される工程図記号を意味していると考えられます。
QC工程図が、それぞれの工程ごとに管理が必要な特性や方法、基準を記載しているのに対して、工程図記号(フローチャート)は単純にプロセスやアルゴリズムの流れを図で示すものです。

 

1. QC工程図

QC工程図は、QC工程表、管理工程図などとも呼ばれています。QC工程図から、その工程で何を目的とし、どのような作業が行われ、どのようにチェックしていけばよいのかがわかり、各工程での管理項目(管理特性)と管理方法とを明らかにしたものです。
QC工程図の作成は一般には以下の手順を行います。
(1)QC工程図を計測し管理する部門は、製品実現計画に基づき、工程順に必要な監視・測定の管理項目を
明確にします。記載する必要のある主な項目は以下の通りです。
 ① 工程管理:工程名、品質及び工程についてそれぞれの管理項目、管理水準、管理方法(サンプリング、
監視・測定)、管理帳票、及び不具合時の処置、担当部門
 ② 作業標準書、作業手順書、基準書、条件表などの文書名、文書番号
 ③ 設備・治工具管理:名称、点検項目、管理水準、点検方法、管理帳票、不適合時の処置、担当部門
(2)改訂を行った場合、その記録を「改訂履歴」欄に記載します。
(3)各工程の作業者は、QC工程図に従って、定められた工程管理や設備・治工具の管理を行います。

QC工程図を活用することによって、必要な監視や測定作業が的確に実行できて、工程管理が確実なものになります。
さらにQC工程図は、各工程ごとに作成されている作業標準書の目次あるいは体系を表す文書の役割を持っています。

図1 にQC工程図の例を示します。これは例としては少し古い形式になるかと思います。基本的にQC工程図には、品質と工程との管理項目を並列して示すのが現在の形です。

図1 QC工程図の例   品質月間テキストNo.398

[補足]

作業標準書、作業手順書、基準書、条件表の意味について
作業標準書は、製品または部品の製造工程において、作業手順や、使用材料、使用設備・治工具、作業時間、作業の管理項目や管理方法、異常時の処置、作業安全上の注意事項など、対象とする製造工程に関わる要件を全て含んだ文書をいいます。
作業手順書は、作業標準書と同じ意味で使われることも多いですが、本テキストでは、作業標準書のうち、作業手順の部分を中心に、気を付けるべきポイントや作業の管理項目を抽出して、1シートにまとめるなど、作業者が使いやすくした文書を、作業手順書といいます。
基準書は、品質管理基準書、製造管理基準書、衛生管理基準書などがありますが、これらは基準書に冠された部門や実施項目で業務の進めるために必要な標準をいいます。例えば、油圧ポンプの性能検査基準書では、容積効率、全効率、応答性など、実施すべき検査項目、基準となる数値などが示された文書になります。作業標準書と同様の意味で用いられる場合もあります。
条件表は、作業を行う上で必要な管理項目数値、や管理方法などを抽出した文書をいいます。

 

2. 工程図記号(フローチャート)

図2 に示す例で工程図記号が記載されています。工程図記号とは、JIS Z8206:1982「工程図記号」によれば、「鉱工業に置いて製品を生産する工程を図示するために用いる図のこと」をいいます。
工程図記号は、基本図記号と補助図記号とがあります。
基本図記号は要素工程を図示するために用いる記号で、大きくは、加工・運搬・停滞・検査の4つの要素工程に分類されます。さらに停滞は貯蔵・滞留に、検査は数量検査及び品質検査に分類されます。
補助図記号は、工程系列における系列の状態を図示するために用いる記号で、流れ線、区分および省略の3つの記号で示されます。
さらに1つの要素工程が、同時に2種類の要素工程の機能または状態を取る場合、それぞれの要素工程の記号を複合して図示することができます。この場合は、主となる要素工程を外側に、従となる要素工程を内側に示します。

図2 工程図記号   JIS Z8206:1982

例として、JIS Z8206:1982 に記載された、単相誘導電動機の工程計画図を示します(図 3 )。

図 3 工程図記号の使用例   JIS Z8206:1982

 

参照文献
現場力を高めるQC用語-QC検定に役立つ- 品質月間テキストNo.398  日科技連出版社 2013年
JIS Z8206:1982

引用図表
図1 QC工程図の例   品質月間テキストNo.398
図2 工程図記号   JIS Z8206:1982
図 3 工程図記号の使用例   JIS Z8206:1982

ORG:2024/09.08