作業標準書

作業標準書(SOP:standard operating procedure)

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作業標準書
作業標準書とは、「作業を誰が⾏っても同じ結果を得られる様にするため、人の動作・機器の操作の手順を、現状において最善と考えられる作業⼿順を明記したもの」をいいます。
作業標準書の⽬的は、安全・品質・効率を保証することであり、達成するための⼿段です。そのためには、常に見直し・改善することが必要です。

 

 

1. 作業標準書とは

作業標準書は、作業の流れやポイントが一目でわかるように示したものです。作成の際、実際の作業手順を観察・検討することにより、ものづくりでの3ム(ムリ、ムダ、ムラ)を事前に取り除いて、3安(安い、安全、安定作業)を満足することが可能になります。
作業標準書は、QC工程表をブレークダウンして、各工程のものづくりの詳細なポイントを、作業者にわかりやすく作業方法を記載し、さらに安全対策を含んだものになります。

2. 作業標準書を作成するメリット

作業標準書を作成するメリットは、以下のようなものが考えられます。
① 作業標準書に基づいて作業するので、誰が作業しても同じ品質の製品がつくられる。
② 作業者が辞める場合の引継ぎでも、その作業のノウハウや技能、注意ポイントなどをスムーズに伝達できる。

3. 作業標準書の記載項目

一般的に作業標準書に記載する項目は次の様なものです。
(1)適用範囲
(2)作業の目的
(3)使用原材料、部品、情報
(4)使用する設備、機器、治工具、システム
(5)作業手順、やり方、注意事項
(6)作業時間、作業原単位
(7)作業の管理項目と管理方法
(8)品質規格
(9)異常時の処置
(10)設備や治工具の点検、保全
(11)作業資格
(12)その他:作成者、作成日、作業安全上の注意、過去発生不具合

4. 作業標準書の作り方・活かし方

良い作業標準書の作成方法、活かし方についてのポイントを示すと、
(1)危険度と作業頻度の⾼い作業を優先して、作業標準書を作成する。
(2)作業の実態に沿った、作業がしやすい内容にする。
(3)ムリ、ムダ、ムラがなく、安全とともに品質・安全に役⽴つ内容にする。
(4)作業ごとに1枚の作業標準書にまとめ、⾒やすい様式にする。
(5)作業⼿順はその種類に応じた粗さに分解して、名詞+動詞で表現する。
(6)できるだけ数値を⼊れ簡潔で、具体的にわかりやすく表現する。
(7)必要な部分は図・写真を活⽤する。
(8)作成した作業標準書は分類整理して、取り出しやすいように仕分けて保管する。
(9)事故や災害が発⽣したときや、設備や作業⽅法が変更したときには⾒直す。

5. 作業標準書の守らせ方

作業標準書の作成目的は、誰が作業しても、同じ品質の製品をつくるために作業のやり方を一定にすることです。従って作業標準書に定められたやり方が守れないものは論外です。
ここでは、どのようにすれば作業標準書を作業員が守れるようにする必要があるかを示します。

(1)作業員が作業標準書どおりの作業を行っているかを観察する。
作業標準書の工程の管理者は、作業員に作業標準書に記述された作業手順や、品質のポイントなどを正しく守らせるようにしなければなりません。作業員に対して作業標準書の教育を行うことはもちろん、実際に現場で作業員が作業標準書どおりの作業を実施しているかを観察する必要があります。作業の観察を行うときは、実際に行われる作業が作業標準書どおりか、1項目ずつ比較して確認する必要があります。このとき、作業員が作業標準書と異なる作業をしていたら、その場で作業を中断させて正しい作業方法を守らせるように教育する必要があります。

(2)作業標準書の変更時は作業員に確認する。
作業標準書を変更するときは、必ず作業員に作業標準書を守ることができるかを確認する必要があります。特に新たに項目を追加したり、作業方法が変わる場合、
・作業標準書に記述した通りに実際の作業を行うことができるか。
・標準時間で作業が完了するか。
などを、実際に作業員に手を動かしてもらって確認する必要があります。
この場合、管理者自身が作業標準書を用いて作業を実施して、確認することも有効です。
また、作業員が作業標準書に示す作業方法より良いと考えた場合、作業員が勝手に作業手順などを変えることは、行われないように指導しなければなりません。もしより良い作業方法を考え付いた場合には、上司・管理者に申告して、その優位性を納得して、作業標準書を変更した後に作業方法の変更を行うようにしましょう。

(3)作業標準書を守らない場合、都度注意を行う。
作業標準書から外れた作業方法を行っている場合、上司・同僚など周りの人が、その場で注意しなければなりません。作業の慣れから手順通り作業できていない場合、作業標準書の重要性を説明して理解させるようにします。
「面倒くさいから守らない。」など怠慢で作業標準書どおりの作業方法をしない場合は、厳しく注意する必要があります。

 

参考文献
よくわかる2級QC検定合格テキスト   弘文社
品質月間テキストNo.398   日科技連

 

Corr:2023/01/03
ORG: 2023/01/01