4.4 新QC7つ道具

4.4 新QC7つ道具(New QC 7 tool)

■新QC7つ道具

新QC7つ道具は、主として言語データを、図表等に表わすことにより、複雑な問題の解決を図ったり、過大を克服するための創造や発想を引き出す手法です。
QC7つ道具と同様、7つの技法からなります。親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、マトリックス・データ解析法、アローダイヤグラム法、PDPC法の7つです。1977年に日科技連(日本科学技術連盟)から提唱されました。
QC7つ道具は、主に製造にかかわる直接部門が品質問題を解決することを目的とした手法であるのに対して、新QC7つ道具は、開発部門、営業部門など、間接部門が抱えている問題や課題を解決することが目的です。
どちらかというと言語的な方向から、間接部門が抱える問題や課題の解決するための手法です。

■新QC7つ道具の適⽤

問題解決のプロセスと、そのプロセス毎に適用される新QC7つ道具と内容について、示します。

1.複雑・混沌とした課題の整理と問題点の絞り込み

(1)親和図法:複雑で混沌とした課題を言語データで抽出したものから親和性をキーワードに、問題点を抽出して、その解決策を導き出します。
(2)連関図法:複雑に原因が絡み合う問題に潜む因果関係を明確にして、適切な解決策を導き出します。

2.⼿法への展開

(3)系統図法:問題解決という目的に対して、解決手段や方策を複数展開して、その中より最適な手段を系統的に定める手法です。
(4)マトリックス図法:多くの目的や現象と、多くの手段や要因の対応関係をマトリックス形式で並べて、相互の関連を明確にする手法です。

3.⼿法を時系列で整理、実⾏計画を作成

(5)アローダイヤグラム法:最適な日程計画を立てて、複数のイベントの進行を管理する手法です。
(6)PDPC法:計画を実施していく上で、発生する可能性のある不測の事態を予測して、不測の事態が発生したときの代替案を検討しておき、それを織り込んだ目標達成の過程を図で表す手法です。

4.⾔語データの数値化

(7)マトリックスデータ解析:マトリックスにまとめた多くの意数値データを平面上に2次元で展開して解析して、主要な問題や原因をまとめて見通しの良い結論を得る手法です。

■新QC7つ道具の概要

新QC7つ道具の特徴について、簡単に見ていきましょう。

1.親和図法

複雑に要因が絡み合った課題について、できるだけ多くの言語を中心としたデータを、親和性によってグループ化して整理し、さらに出来上がったグループから、さらに親和性の高い物通しをグルーピングしていくことにより問題の構造を明らかにする手法です。
大元は、文化人類学者の川喜田二郎博士(東京工業大学名誉教授)が、フィールドワークで得た膨大な情報をまとめていくための技法として考え出されたもので、KJ法といいます。KJ法は商標登録されているため親和図法と呼ばれています。

親和図法には、以下の特徴があります。
・混沌とした状態にある課題の中から、観察した結果を言語データとして抽出して、まとめることにより問題を発見することができます。
・現状を打破し、新しい考え方を得ることができます。
・問題の本質を関係者に明確に認識してもらえることが可能です。
・全員参加による問題の共有化と、全員の意識向上と活性化を図ることができます。

2.連関図法

原因と結果、目的と手段などが複雑に絡み合った問題について、その因果関係を論理的に結び付けていくことにより、主要因を追求することで問題の解決を図る手法です。

連関図法には、以下の特徴があります。
・原因が複雑に絡み合う問題を整理するので、早い段階から全体の見通しを立てることができます。
・メンバーのコンセンサスを得るのが容易になります。
・枠が無いので、自由な記述ができ八村の転換や展開が可能です。
・重点項目を的確にフォーカスことができ、各原因の相互の関連が明確になります。

3.系統図法

問題をするために、目的と手段とを系統づけていくことにより適切な手段を見出します。
VE(価値工学:value engineering)の機能分析に用いる機能系統図の考え方及び作り方を応用した手法です。

系統図法には、以下の特徴があります。
・事象を系統的に、論理的に展開することが可能で、漏れが少なくなります。
・メンバーの意思統一が図りやすくなります。
・手段が整理しやすく、可視化できるので関係者に対して説得性があります。

4.マトリックス図法

2つの要素を行と列の二次元に配置して、相互の関連の程度を整理して、問題解決の糸口を見出していく手法です。

マトリックス図法には、以下の特徴があります。
・要素間の関係が明確に可視化され、全体の構成が一目で把握できます。
・いくつかの表をまとめることができ、問題がどこにあるかをより正確に把握できます。

5.アローダイヤグラム法

アローダイヤグラム法は、日程計画の作成と進捗度合を管理するのに有効な方法です。おなじく日程管理手法のガントチャートと比較すると、各作業が相互関係が明確になる利点があります。
アローダイヤグラム法は、一般にはPERT法(program evaluation and review technique) と呼ばれます。
1957年にアメリカで開発された手法で、ポラリスミサイルの開発製造に適用されて、開発期間を大幅に短縮することができました。

アローダイヤグラム法には、以下の特徴があります。
・プロジェクト全体を把握することができ、着手前に工程上の問題点が明確になります。
・作業の進捗状況のチェックが容易です。計画の変更に対しても問題点を見通した素早い対応が可能になります。
・関係者全員での計画の共有が容易で、コミュニケーションや意思の疎通が容易になります。

6.PDPC法

PDPC法は、過程決定計画図(process decision program chart) のことです。1968年に東京大学の近藤次郎教授が、東大紛争時に問題解決及び意思決定の手法として開発したものです。
多くの場合、目的を達成するための実行計画が当初予定した通りに進行するとは限らず、またシステムに予期できない故障が発生して重大な事態を引き起こすことがあります。
PDPC法を適用すれば、事前に考えられるいろいろな結果を予想して、プロセスができるだけ望ましい状態で進行することが可能となります。

PDPC法は、以下の特徴があります。
・経験を活かして将来を予測して、事前に手を打つことが可能になります。
・問題点の所在、最重要事項が容易に確認できます。
・事態の進行に対して、決定者の意図が表現可能で、関係者に容易にその意図を伝達することが可能です。
・関係者全員の意見の集約化が容易で、計画の修正が容易に行うことができます。

7.マトリックス・データ解析法

マトリックス・データ解析法は、新QC7つ道具の中では、唯一の数値データをを取扱い、数値処理を行う手法です。大量の数値データを解析して真因を追求する多変量解析法に分類されます。
また、数値データ間の複雑な絡み合いの中から課題への解の手がかりを得られるので、新製品の開発や企業の体質を見直す手段として有効です。

 

 

参考文献
図解よくわかるこれからのTQM  山田正美    同文館出版
入門・生産と品質の管理    冨士明良    山海堂

 

引用図表
ORIGINAL
ORG: 2018/3/25