商品企画7つ道具
商品企画7つ道具(Product Planning 7 Tools)
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目次
1. 商品企画7つ道具とは
商品企画7つ道具とは、新商品やサービスの企画立案を支援するための7つのツールや手法を指します。これらのツールは、商品開発のプロセスにおいて、アイデア創出、情報整理、意思決定、そして戦略立案を効果的に行うために活用されます。この概念は、製造業やマーケティング分野での品質管理手法を応用したものであり、特に製品やサービスの市場競争力を高めるために重要な役割を果たします。
本コンテンツは、主として製造業の皆さんがかつようすることに重点を置いた内容にしたいと考えます。
2. 経緯
商品企画7つ道具(以下、P7と省略します)は、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本の製造業やサービス業の競争力向上を目的として発表されました。この背景には、品質管理における「QC7つ道具」や「新QC7つ道具」が既に広く活用されており、それらの成功が商品企画の分野にも適用可能であるという考えがありました。
その当時、日本の企業は、グローバル化や消費者ニーズの多様化に直面しており、従来の方法だけでは革新的な商品を生み出すことが困難になっていました。そのため、製品やサービスの企画段階から効果的に課題を解決し、価値ある商品を開発するための体系的なツールの必要性が高まりました。
1995年11月に書籍に発表されましたが、商品企画のシステム化を目的に考案された手法です。中心となって体系化されたのは、成蹊大学経済学部の神田範明教授です。一般的には、P7(1995)と呼ばれています。
TQC(全社的品質管理)のパラダイム構築を⽬指し、商品企画とマーケティング課題を研究し、真の消費者が望む商品ニーズを捉え、そこから優れたヒット商品を開発する⼿法を構築することを⽬標としました。
各手法を活用していくと、時間経過により規格プロセスの改善が必要になることがわかってきました。2000年に主に製造業での活用を容易にするように、一部の手法を変更した、P7(1995)と同様に神田教授が中心になってP7(2000)が発表されました。
さらに、2013年に仮説発掘法を追加した、P’(2013)が現時点で最新バージョンになっています。
3. 商品企画7つ道具
前項で既述したように、商品企画7つ道具は1995年に最初の商品企画7つ道具が、成蹊大学の神田範明教授が最初に発表されました。当時は消費財の改良品対策として提案されました。その後、グループインタビューは、一般製造業で活用が難しく、グループインタビュー以外に評価グリッド法を採用してインタビュー調査
と総称し、また、発想チェックリストと表形式発想法とを組み替えて、アイデア発想法とアイデア選択法に変更しました。これを、P7(2000)として提案されました。これについても、神田教授が中心になって見直しされたとのことです。
さらに2013年にインタビュー調査の前段階として、仮説発掘を実施するようにしました。これを、P7(2013)として提案されました。
これらを順に説明していきます。
3.1 P7(1995)
最初に発表された商品企画7つ道具は、商品企画のシステム化を目的に考案された手法です。目的は、消費財の改良品対策として以下の手法が提案されました。
① グループインタビュー
② アンケート調査
③ ポジショニング分析
④ 発想法:発想チェックリスト
⑤ 発想法:表形式発想法
⑥ コンジョイント分析
⑦ 品質表
これらは、商品企画に必要なステップとして、調査 → 発想 → 最適化 → リンク の流れに沿って検討されます。
(1)各手法の目的
・ 調査手法: グループインタビュー、アンケート調査、ポジショニング分析
消費者のシーズ、ニーズを探索して、定性的・定量的に商品企画の⽅向づけを⾏います。
グループインタビューでニーズの把握を行い、アンケート調査によりニーズを検証します。さらに、ポジショニング分析により、商品空間の検討を進めます。
・ 発想の⼿法: 発想チェックリスト、表形式発想法
ユニークで魅⼒的な商品コンセプトを発想します。
発想チェックリスト、表形式発想法により、商品のコンセプトを発生します。
・ 最適化の⼿法: コンジョイント分析
コンジョイント分析により、消費者ニーズに沿った最適なコンセプトを決定します。
・ リンクの⼿法: 品質表
品質表により、得られた商品コンセプトを設計にリンクします。
(2)各手法の概要
① グループインタビュー:
グループインタビューは、テーマに関心の深いユーザを5~8人程度を一室に集め、ファシリテータが気持ちを解きほぐしながら、生活実態や商品の利用状況、不満な点、要望を、出席者同士の会話を弾ませる事で、自由に発言してもらいます。それにより、案件に対する潜在的な意識と要求を掘り起こします。
② アンケート調査
出来るだけ多くのユーザーあるいはその候補者に対して予め設定された質問を行い、その回答を回収し、統計的処理を行い消費者の意識、要求の全体像を定量的に検証します。実施形態はいろいろあり、目的とする対象や期間、内容によって適切に使い分けます。
③ ポジショニング分析
アンケート調査などで判明した重要な要素を2項目選んで2次元マトリクスを作成し、そこに競合他社や自社の製品、サービスをプロットして、比較検討してそれらの兼ね合いで新製品の性格付けを決めます。
④ 発想チェックリスト
オズボーンの発想チェックリストを活⽤して、多様な発想をします。オズボーンのチェックリストは、既存のアイデアを様々な角度から検討して、新しいアイデアを生み出すことを目的としており、シンプルながら効果的なアイデア発想法として多くの企業で活用されています。
⑤ 表形式発想法
表形式発想法は、アイデアを整理するために、表形式のシートに情報を書き出し、視覚的に関係性を把握する手法です。これにより、複雑な問題を構造化し、新たなアイデアを生み出すきっかけとなります。
⑥ コンジョイント分析
コンジョイント分析では、商品やサービスを複数の属性(例: サイズ、価格、機能、デザインなど)で構成される組み合わせとして捉えます。そして、消費者がどのような組み合わせを好むかを分析することで、各属性の重要度や最適な組み合わせを導き出します。
⑦ 品質表
品質表は、商品やサービスの品質に影響を与える要素を「表形式」で整理し、品質特性の重要性や影響度を視覚的に把握する手法です。製品やサービスの設計段階で、「何をどのように改善すべきか」を明確にすることが目的です。
3.2 P7(2000)
1995年に発表された商品企画7つ道具(P7(1995))で各手法を活⽤するにつれ、企画プロセスの改良が必要になってきました。そのため、やはり神田教授が中心となって製造業の分野にも適用できるようにいくつかの改善が加えられました。これは2000年にP7(1995)を改善したものを、P7(2000)として発表されました。
例えば、グループインタビューは役⽴つ反⾯、製造業の分野で活⽤するためには、内部でファシリテータを養成することが難しく、一方外部に依頼する場合にはコストがかかってしまいます。グループインタビュー以外に容易に⼀定の成果が期待できる⼿法として、評価グリッド法を採⽤し、合わせてインタビュー調査と総称しました。
また、発想法の発想チェックリストは他の⼿法と比較すると、内容が⼩さく同列にならないので、発想法は1つにまとめます。表形式発想法の組み合わせ発想法はあまり使いませんので、より使いやすく簡単な焦点発想法を採⽤するようにしました。
さらに、発想法を適用することにより、よいアイデアが大量に得られても、これを絞り込む⼿法が難しいので、アイデアを選択する⽅法を新たに加えました。例えば、重みづけ評価法や⼀対⽐較評価法を採⽤するようにしました。
① インタビュー調査:1)グループインタビュー、2)評価グリッド法
② アンケート調査
③ ポジショニング分析
④ アイデア発想法:1)アナロジー発想法、2)焦点発想法、チェックリスト発想法、シーズ発想法
⑤ アイデア選択法:1)重みづけ評価法、2)一対比較評価法(AHP)
⑥ コンジョイント分析
⑦ 品質表
これらは、P7(1995)と同様に、商品企画に必要なステップとして、調査 → 発想 → 最適化 → リンク の流れに沿って検討されます。
(1)各手法の目的
・ 調査手法: インタビュー調査、アンケート調査、ポジショニング分析
消費者のシーズ、ニーズを調査して、定性的・定量的に商品企画の⽅向づけを⾏います。
インタビュー調査でシーズ・ニーズの把握を行い評価して、次にアンケート調査によりニーズを検証します。さらに、ポジショニング分析により、商品空間の検討を進めます。
・ 発想の⼿法: アイデア発想法、アイデア選択法
ユニークで魅⼒的な商品コンセプトを発想して生み出して、選択をします。
アイデア発想法、アイデア選択法により、商品のコンセプトを発生・選択します。
・ 最適化の⼿法: コンジョイント分析
コンジョイント分析により、消費者ニーズに沿った最適なコンセプトを決定します。
・ リンクの⼿法: 品質表
品質表により、得られた商品コンセプトを設計にリンクします。
(2)P7(2000)から、新たに追加された手法の概要
① – 2) 評価グリッド法:
評価グリッド法は、ラダーリング(Laddering)手法に基づいたアプローチを採用しており、消費者の選択や評価の背後にある要因を「具体的な属性」から「心理的価値観」までの階層的な構造で可視化します。
この手法では、消費者に特定の商品やサービスについての評価を質問し、その理由を深掘りすることで、評価基準(グリッド)を作成します。これにより、消費者が特定の商品を選ぶ理由や背景を明確に理解することができます。
④ – 1) アナロジー発想法
全く異なる分野や事象から着想を得て、新しいアイデアを創出する方法です。例えば、自然現象や動物の行動から製品の機能やデザインのヒントを得るなどが挙げられます。
④ – 2) 焦点発想法
ある特定のテーマや課題に焦点を当て、深く掘り下げることで新たなアイデアを生み出す方法です。ブレインストーミングなど、多様な発想を促す手法と組み合わせることで効果を発揮します。
④ – 2) チェックリスト発想法
あらかじめ用意されたチェックリストに基づいて、アイデアを評価したり、新しいアイデアを創出したりする方法です。既存の製品やサービスの改善点を見つける際にも有効です。
④ – 2) シーズ発想法
自社の技術や資源といった「シーズ」を起点に、新たな製品やサービスのアイデアを創出する方法です。自社の強みを活かした商品開発に繋げることができます。
⑤ – 1) 重みづけ評価法
各々のアイデアに対して、重要度が異なる複数の評価基準を設定し、それぞれの基準に対する評価値に重み付けを行い、総合的な評価値を算出する方法です。例えば、市場性、技術実現性、収益性といった基準を設定し、それぞれの基準に対して1から10までの数値で評価し、重み付けを行うことで、総合的な評価値を算出します。
⑤ – 2) 一対比較評価法(AHP:Analytic Hierarchy Process)
複数のアイデアをペアで比較し、どちらが優れているかを判断することで、相対的な評価を行う方法です。各ペアの比較結果に基づいて、各アイデアの優先度を算出します。AHPは、人間の判断の曖昧さを考慮し、より客観的な評価を可能にする手法として知られています。
3.3 P7(2013)
P7(2000)での商品企画7つ道具の流れでも、アンケート調査で評価する商品が既存商品であり、アイデア発想法が後半にあるため、画期的なアイデアが出ても⼗分に検討することができない欠点があります。これらの問題点を解決するために、発想法をインタビュー調査の後に活⽤することで、最初からアイデアを出して、創造的企画案を取り⼊れるプロセスに変更しました。
① インタビュー調査
② アイデア発想法
③ アイデア選択法
④ アンケート調査
⑤ ポジショニング分析
⑥ コンジョイント分析
⑦ 品質表
ただこの流れでも、インタビュー調査が出発点であるため、このステップでうまく行かないと、仮説の質が落ちる可能性があります。そのため多くのインタビュー調査が必要となり、予算と時間の制約とファシリテータの問題があるため、インタビュー調査を数多く⾏うことは難しいのです。
また、P7(2000)を適用した商品企画手法でも、時代が進むにつれていくつかの問題点が目立つようになりました。
例えば、
・ 商品の改良改善策より、新規開発品の商品対策が要求されるようになりました。
・ 顧客要望が多様化、複雑なものになり、単純な現状商品の調査ではアイデアの展開が難しくなりました。
・ さらなる価値創造のために、潜在ニーズを発掘する上でインタビュー調査だけで対応できるか否かの問題が生じました。
こに様な問題点に対応するために、インタビュー調査の前に仮説発掘を実施することにより、大量の仮説の発掘を目的とするように改良されました。この商品企画7つ道具を、P7(2013)、もしくなNEO P7と呼ばれます。
① 仮説発掘法:1)フォト日記調査、2)仮説発掘アンケート
② アイデア発想法:1)焦点発想法、2)アナロジー発想法、3)ブレインライティング
③ インタビュー調査:1)グループインタビュー、2)評価グリッド法
④ アンケート調査
⑤ ポジショニング分析
⑥ コンジョイント分析
⑦ 品質表
P7(2013)で新しく導入された手法の概要について、記述します。
① 仮説発掘法:1)フォト日記調査、2)仮説発掘アンケート
仮説発掘法は、商品企画の初期段階において、より多くの潜在的な顧客ニーズや課題を発見することを目的としています。この手法は、インタビュー調査の前に事前調査として実施することが多かった観察・調査を導⼊しやすくしたフォト⽇記調査と、アイデア⾃体を調査対象者から⾃ら書いてもらうように誘導するアンケートからなります。
① 仮説発掘法:1)フォト日記調査
顧客に、日常生活の中で気になったことや疑問に思ったことを写真に撮り、日記形式で記録してもらう調査方法です。写真と生活実態や使用実態を記述した文章とを組み合わせて、顧客の視点を直接的に捉え、具体的な行動や感情を理解することができます。
① 仮説発掘法:2)仮説発掘アンケート
アイデア自体を調査対象者が自ら書いてもらえるように誘導するアンケートです。「もし○○が改善されたら、どんな風に使うか?」といったように、具体的な状況を提示し、顧客のアイデアを引き出すことを目的とします。
② アイデア発想法:3)ブレインライティング
ブレインライティングは、アイデア発想手法の一つで、複数の参加者が順番にアイデアを書き出すことで、新しいアイデアを生み出す手法です。ブレインストーミングと似ていますが、ブレインストーミングが対話で行われるのに対し、ブレインライティングはアイデアを紙に書いて行うのが大きな特徴です。
ブレインライティングのバリエーションとして、6-3-5法と呼ばれるものがあります。これは、シートに6人が3つのアイデアを5分で書き出し、次の人に回して発想を発展させるようにします。6人のグループで実施するため、効率的なアイデアの収集が可能になります。
また、最近では、Google DocsやMiroなどを活用したデジタルツールもよく用いられています。これにより遠隔地のメンバーも参加できるメリットがあります。
図 商品企画7つ道具の推移 出典:商品企画7つ道具の手法の経緯、変遷(その1,2,3)
4. 商品企画7つ道具P7(2013) に基づいた企画事例の想定
本サイト管理者は、商品企画については非常に限られた経験しかありません。具体的に述べると、管理人が転職後インテンシファイヤ(超高圧水生成機:300MPa)を利用したアプリケーション開発の技術スタッフとして業務していたときに、いろいろなアイデアの創出をさせられました。もちろん、商品化までの道筋までは行かないものでしたが。
従って、ここで紹介する商品企画7つ道具についてはフルバージョンで実行したことがありません。ここで紹介する事例は、生成AIで考えた内容です。
次世代型モバイルバッテリーの開発を事例に上げようと思います。
[次世代型モバイルバッテリーの開発]
4.1 企画の概要
・ 目的:
スマートフォンやその他の電子デバイスが日常生活に不可欠となった現代において、より便利で環境に配慮した次世代型モバイルバッテリーの開発。
・ 背景:
/ 使用者の多くが外出先での充電切れを経験しいている。
/ 現行のバッテリーは充電速度、サイズ、重量、持続時間、環境配慮の面で課題がある。
/ 市場には競合製品が多いが、差別化が難しい。
・ ターゲット顧客:
/ 常に電子デバイスを利用する若年層、ビジネスパーソン。
/ 持ち運びのしやすさや高速充電を求めるユーザー。
/ 環境意識の高い消費者。
4.2 活用する商品企画7つ道具P7(2013)と具体的な実施内容
① 仮説発掘法
1)フォト日記調査
・ 目的:
ユーザーの日常生活でのモバイルバッテリー使用状況を視覚的に把握し、潜在的な課題やニーズを発掘する。
・ 実施内容:
/ 調査対象: 20~40代のモバイルバッテリー使用者。
/ 調査方法:
・ 対象者に1週間の日常を写真と短い日記形式で記録してもらう。
・ 記録内容: 「どのタイミングで使用したか」「困った状況」「製品に期待すること」。
/期待される成果(不満):
・ 外出先での充電切れの不安。
・ カバン内で見つけにくい、重い、操作が煩雑といった課題。
2)仮説発掘アンケート
・ 目的: フォト日記調査で得られた情報を基に、仮説をさらに具体化する。
・ 実施内容:
/ 質問項目例:
・ 「外出時にモバイルバッテリーを使用する頻度は?」
・ 「重視する機能(高速充電、軽量性、持続時間)を選んでください。」
・ 「環境に配慮した製品に関心がありますか?」
/ 期待成果:
・ ユーザーが求める優先事項(高速充電が最優先、軽量性も重要視)。
・ 環境意識の高まりによるエコ素材ニーズの浮上。
② アイデア発想法
1)焦点発想法
・ 目的: 製品開発で特に注力する焦点を絞り、アイデアを広げる。
・ 実施内容:
/ 焦点テーマ例:
・ 「充電速度の最大化」
・ 「軽量性と持ち運びやすさの追求」
・ 「環境負荷の軽減」
/ 成果例:
・ 超高速充電対応(PD・GaN技術)。
・ 折りたたみ式ソーラーパネル搭載のエコ型バッテリー。
2)アナロジー発想法
・ 目的: 他の分野からヒントを得て、革新的な製品アイデアを考える。
・ 実施内容:
/ 自然界の例: カメレオンの変色能力をヒントに、残量に応じて色が変わるバッテリー。
/ 他業界の例: 薄型ラップトップの設計思想を活用し、カード型の超薄型バッテリーを開発。
3)ブレインライティング
・ 目的: チーム全員が平等に意見を出せる環境を作り、アイデアを多数収集する。
・ 実施内容:
/ 各自が同時に3つのアイデアを紙やデジタルツールに記述。
/ 回覧形式で他のメンバーがそのアイデアを発展させる。
/ 成果例: 持ち運び用ケース一体型のバッテリー設計案。
③ インタビュー調査
1)グループインタビュー
・ 目的: ターゲットユーザー層のニーズや使用状況を深掘りする。
・ 実施内容:
/ 5~8人のユーザーを集め、使用体験を聞き取る。
/ 主なテーマ: 「製品の利便性」「困った経験」「理想の機能」。
/ 成果例: バッテリー残量がわかりやすいディスプレイ表示のニーズ。
2)評価グリッド法
・ 目的: 製品の評価軸を明確化し、ユーザーが求める価値を把握する。
・ 実施内容:
/ 「なぜその機能が重要なのか」を繰り返し質問して、深層価値を分析(なぜなぜ分析)。
/ 成果例: 軽量性→持ち運びやすさ→移動中のストレス軽減。
④ アンケート調査
・ 目的: 仮説や初期アイデアを定量的に検証する。
・ 実施内容:
/ 質問例:
・ 「理想的な充電速度は?(現在の2倍、5倍、10倍)」
・ 「予算に応じた性能の優先順位は?」
/ 成果例:
・ 多くのユーザーが価格よりも高速充電を優先する傾向を確認。
⑤ ポジショニング分析
・ 目的: 競合製品との位置関係を分析し、差別化ポイントを特定する。
・ 実施内容:
/ 縦軸; 充電速度、横軸; 製品重量で、マッピングする。
/ 成果例: 市場における「高速充電+軽量」の製品は競合が少ない。
⑥ コンジョイント分析
・ 目的: 消費者が重視する属性とその組み合わせを定量的に測定する。
・ 実施内容:
/ バッテリー容量、重量、充電速度、価格の4属性を組み合わせた選択肢を提示する。
/ ユーザーに「どれを選ぶか」を回答してもらい、重要度を測定する。
/ 成果例:
・ 高速充電>軽量性>価格の順で重要とされる。
⑦ 品質表
・ 目的: 顧客の要求と技術的仕様を整理し、製品の方向性を決定する。
・ 実施内容:
/ 左側に顧客要求(高速充電、軽量、エコ素材)を記載する。
/ 上側に技術的仕様(GaN技術、バッテリー容量、素材)を記載する。
/ 各項目の関連性を評価し、設計方針を明確化。
/ 成果例: GaN技術の採用で充電速度と軽量性の両立を目指す。
4.3 まとめ
商品企画7つ道具P7(2013) の各ステップに基づくアプローチを体系的に実施することで、ユーザーニーズを的確に捉え、競争力のある次世代型モバイルバッテリーを開発するための具体的な計画が策定できます。
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参考文献
商品企画7つ道具の手法の経緯、変遷(その1,2,3) 石川朋雄 - ものずくりドットコム
https://www.monodukuri.com/gihou/article/3379,3380,3387
「商品企画7つ道具」の有効性の検証 長沢伸也 日本デザイン学会 デザイン学研究 BULLETIN OF JSSD 2000年
Assited by chatGPT
引用図表
商品企画7つ道具の推移 出典:商品企画7つ道具の手法の経緯、変遷(その1,2,3)
ORG:2024/11/26