連関図法

連関図法(relations diagram)

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1. 連関図法とは

私たちが直面している問題は、氷山の一角であることが多いです。連関図法は、複雑に絡み合った問題で原因がどこに潜んでいるかを追究するのに適した手法です。
問題発生の根本原因を取り除くとは、単に見えている問題(発生して事故や、苦情)に対処するだけではなく、見えていない潜在的な問題も取り除く必要があります。潜在的な問題は可視化できませんが、これを見えている問題から背後に潜む問題や、関係する問題を探索することにより可視化することが可能になります。
具体的には、問題とその原因や、原因同士、目的と手段など、因果関係を論理的に矢印で結びつけていくことにより、改善が必要な重要要因や根本原因を絞り込むのに、連案図法が用いられます。
連関図は、QC7つ道具の特性要因図とともに、原因を追究するための要因解析に用いられます。

2. 連関図法の特徴

連関図法には、以下の特徴があります。
(1)原因が複雑に絡み合う問題を整理することができます。従って、早い段階から全体の見通しを立てることができます。
(2)連関図を作成する過程で、メンバー全員で問題の原因を深掘りすることにより、優先的に着手すべき点についてのコンセンサスを得たり、固定観念にとらわれない発想の転換や展開が可能です。
(3)形式にとらわれずに自由に表現できます。そのため特性要因図では表しきれない原因間の因果関係も捉えることができます。
(4)重点項目を的確にフォーカスすることができるので、各原因の相互の関連が明確になります。

3. 連関図法の進め方

見えている問題点に対して、その原因は何かを「なぜなぜ分析」で考え、さらにその原因の原因になるものは何かを、順次「なぜなぜ分析」を使いながら考えていきます。
考えられる原因を矢印線で結んでいき、矢印線を受けていない原因、すなわち原因をこれ以上追及できないものを、根本原因と呼びます。
問題発生を防止するためには、この根本原因に対して対策を考えれば良いことになります。ただし、場合によっては手の打ちようがない根本原因もあります。その場合は、根本原因に矢印線で直接結ばれている一つ前の原因に対する対策を考えることになります。
矢印線を多く受けている原因や、逆に矢印線を多く出している原因は、重要な原因になりますので、これに着目して対策を行います。
図1 に連関図の書き方の概念図を示します。また、実際の連関図の例を図2に示します。

図1 連関図の概念図   ORIGINAL

図2連関図の例   ORIGINAL

4. 特性要因図と連関図を併用することにより問題点の重点指向を目指す

特性要因図は、問題点が明確であり、その原因を求める場合に用いられます。一方、連関図は、問題点が明確で無く絞り込みが難しい場合に、根本原因を明確にして問題点を明確にします。
連関図で明確になった問題点を特性にして、その原因を特性要因図で探索することも、問題解決手法の一つです。
図3に、特性要因図と連関図との連携のイメージを示します。

図3特性要因図と連関図の連携   ORIGINAL

 

参考文献
おはなし新QC七つ道具   納屋嘉信  日本規格協会
標準化と品質管理   今里健一郎  標準化と品質管理  Vol.55 No.7

引用図表
図1連関図の概念図   ORIGINAL
図2連関図の例   ORIGINAL
図3特性要因図と連関図の連携   ORIGINAL

ORG: 2023/11/06