4.3 QC7つ道具

4.3 QC7つ道具(QC seven tool)

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TQMを展開する上で、もっとも重要なツールの一つが「QC7つ道具」といわれています。
QC7つ道具は、日本科学技術連盟が提唱しました。比較的初歩的な統計的・数値解析手法で、製造現場でも受け入れやすかったので、QCサークル活動を通して広く普及しました。
日本の品質管理の草分けである、石川馨先生は、「QC7つ道具をうまく活用することができれば、一般企業の身の回りにある問題の95%は解決できる。」と断言されたそうです。

■QC7つ道具の概要

1.パレート図(Pareto diagram)

データを項目別に分類・集計して、出現度数が多い順に棒グラフで表します。また、それらを順番に足し算して線グラフで表します。重要な問題を発見する手法です。TQM においては、重点志向が重要な行動指針で、これを助けるツールとしてパレート図は有効です。
その特徴は、重要項目が全体に占める割合がひと目でわかり、問題解決の重点的に取り組む項目を絞るのに有効であることです。

2.特性要因図(characteristic diagram)

結果の特性と、それに影響を及ぼすと考えられる要因をすべて洗い出し、それらの要因を分類して矢印で関連付けを行い図表にしたものです。通称は「魚の骨」と呼ばれています。
その特徴は、原因と結果との関係が系統的に層別されて、整理して示されるので、原因を追究するのに有効な手法です。

3.ヒストグラム(histogram)

取得したデータを、そのデータが含まれる範囲を等分にいくつかに分割して、その各範囲に入るデータの数を棒グラフで表して、データのバラツキの状態を把握する手法です。
その特徴は、データが規格値に対してどのようにばらついているか、データの平均値の偏りの状態がどのようになっているかを一目で把握できることです。

4.管理図(control chart)

取得したデータを時系列にプロットして、工程を安定した状態に維持することを目的とする手法です、
その特徴は、データの推移を時系列的に把握できることと、データの状態を見える化することにより異常を検知して、工程を安定した状態に維持するためのアクションを速やかに取ることを促します。

5.チェックシート(check sheet)

あらかじめ区分や数値を表などの表わしておき、取得したデータをチェックマークでその区分に印をつけることで、得られたデータの状態がひと目でわかるようにした手法です。記録用と点検用とがあります。
記録用は、欠陥や不適合の発生状態が一目でわかります。同様に点検用では、点検を行ったか否かが一目で把握できる特徴があります。

6.散布図(scatter diagram)

対応する2つのデータを組にして、横軸と縦軸に原因の系統と、結果の系統とを取ったグラフ用紙にプロットして、データ相互の関係を表す手法です。
その特徴は、一つ一つのデータの相関関係が明確になるとともに、異常なデータが混入した場合に一目でわかります。

7.層別(stratification)

取得したデータを、それらのデータの特徴毎に、2つ以上のグループに分けることをいいます。データを有効に活用することを目的とする手法です。
データを層別することにより、データのバラツキの要因を明確にできる特徴があります。

■QC7つ道具を上⼿に使いましょう

QC7つ道具は、どちらかというと数値データを取扱うのがメインになります。従って、その使い方を自分のものにすれば、問題が発生したら、QC7つ道具のそれぞれの特徴を活かして、問題の原因を追究し、それを取り除く対策を実施し、その対策の効果を、およびQC7つ道具を用いて確認して、さらに改善を吸占めることが大切です。いわゆる、PDCA(PDSA)を回すことですね。

なお、確かにQC7つ道具は、品質問題を解決するのに向いていますが、他の問題解決には使えないかというと、そんなことはありません。
業務で発生するいろいろな問題を解決する手法としても、とても有効です。それぞれの特徴を良くつかんで、活用されることを望みます。

【リンク先】
外部リンクですが、工場や営業での使い方の簡単な例が書かれています。ぜひ一度訪問してください。

 

参考文献
図解よくわかるこれからのTQM    山田正美    同文館出版

ORG: 2017/10/5