セル生産システム

セル生産システム(cellular manufacturing system)

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“セル生産システム” とは、「ラインを用いずに,一人,または複数の作業者が一つの製品を組み立てる自己完結型の生産方式のこと」です。
“セル生産システム” は、原則として一人一人の作業速度に合わせて作業する方法です。一人で製品を完成させるので、従来のコンベアなどを用いるライン生産方式と比較して、生産量の変動への対応や仕掛量の削減など、ものづくりにおいて迅速な対応ができます。一方、一人一人の作業工数が増加して、高い技能レベルが要求されます。

セル生産システムの長所は、
(1)多品種少量生産に柔軟に対応ができ、生産量の変動に適応しやすいです。
(2)最小単位の仕掛で運営が可能なので、仕掛在庫が減ります。
(3)作業者が自分のラインとの意識を持つことが出来、やる気を高めて、モラルが高まります。
(4)不良率が大きく低減します。また、不良が発生した場合の原因究明の速度が大きく向上します。
(5)製造リードタイムが短縮でき、一人あたりの生産性向上が図れます。
(6)ラインの変更が容易で、製品が変更されても設備投資が少なくてすみます。
などが考えられます。

一方、セル生産システムの短所は、
(1)色々な技能に対応する熟練した多能工が求められるため、作業者個人の技量差が大きく出てしまいます。そのため、製品によっては作業者が限定されます。
(2)製品が複雑になるにつれ、多くのマニュアルを習熟するための負担が大きくなります。
(3)近年は製品のライフサイクルが短いため、マニュアルの変更に短時間での対応が要求されます。
(4)増産時には、非習熟作業者が対応するために、品質低下や納期遅延が発生する可能性があります。
(5)責任を持たせられることが、時としてストレスになります。
などが考えられます。

セル生産システムでは、担当するセルを作業者自らが改善する知恵を競い合い、一人一人の創造性が要求されます。

 

 

参考:
品質月刊テキスト2013 No.398 「現場力を高めるQC用語」
入門・生産と品質の管理  冨士明良   山海堂

ORG:2019/3/31