DRBFM
DRBFM (Design Review Based on Failure Mode)
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成熟した製品では、まったく新しく概念設計から始めるものは少なく、現行製品を改善する場合がほとんどです。品質管理の面から考えると、製品開発における品質確保の基本は良い設計の条件を変化させないことにありますが、実際の開発では変更点及び、変化点、新規点が必ず発生します。これらには、何らかの問題点が潜んでいます。問題点をいかに早く、もれなく発見して解決できるかが、製品の信頼性を確保する鍵となります。
DRBFMは、製品開発の際の変更点や、変化点、新規点に着⽬して、従来の設計と比較することにより、、問題点を見える化して顕在化することにより、問題点の発見から、共有、解決までを具体的に議論するためのデザインレビューのツールとして、トヨタ自動車の吉村 達彦博士(現九州大学)により提唱されたGD3(ジー・ディー・キューブ; Good Design, Good Discussion, Good Design Review)のGood Discussion を具体化するためにFMEAをベースとして開発されました。日本語では、障害モードに基づくデザインレビューとなります。
現在では、トヨタグループだけでなく、電機メーカをはじめ多くのメーカの開発のシーンで用いられています。
具体的には変更点に着⽬して、DRBFMフォーマットに記載していきます。
(1)製品構成の内、設計変更した部品や。新規部品を列挙し、記入する。
(2)記入した部品の機能を記入。このとき、複数の部品間の相互作用も含めて考える。
(3)変更点をもれなく記入する。
(4)変更点に着目して心配点を列挙する。
(5)心配点はどのような場合に生じるかを機能の障害や、故障モードの要因について議論する。
発生頻度を基準に記載する。
(6)顧客に対する影響の度合いを基準を決めて明確にして、大きく問題となる点を明確にする。
(7)列挙された心配点を取り除くためになされた設計検討項目を明記する。
ここまでが、設計者による事前準備です。ここからがDRBFMの実施工程になります。
(8)設計、⽣産、企画、品質、評価、CSなどのメンバーを集め、設計審査を⾏う。
(9)心配点を取り除くためになされた設計検討項目を検証する。
(10)変更点に関わる心配点をその要因ごとに、設計対応、評価方法を議論する。
(11)担当部署、担当者、期限を記入する。
(12)DRBFMでの議論を整理して、FMEAを完成させる。
といった手順で、故障モード影響解析を進めます。
頻度や重要度を顧客の視点から評価することで、実際の影響を正しく判断できる点が優れています。
参考文献
BLOG;品質管理研究所 http://quality-labo.sblo.jp/article/49920119.html
DRBFM(変更点に着⽬したFMEA)の⽬的とは ものづくり.com https://www.monodukuri.com/gihou/article/1372
品質問題の未然防止手法・GD3 吉村達彦 豊田合成技報 Vol.44 no.2 (2002)
ORG: 2020/7/30