OJTとOFF JT、SD
OJTとOFF JT、SD(OJT, OFF JT and SD)
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教育・訓練の方法としては、OJT、OFF JT、及び自己啓発(SD)などが考えられます。
OJTとは、”On the Job Training” の略で、職場内訓練と日本語ではいわれます。職場内で、上司もしくは先輩が部下もしくは後輩に対して、仕事を進める上で必要な知識、技能、及び態度などを教育・訓練するもので、実践に即した教育です。OJTは仕事を通じて行われるので、自らに直接関心があるものだけに理解が早く、教育効果も大きいです。
OFF JTは、”Off the Job Training” の略で、職場外集合訓練と日本語ではいわれます。職場から離れて集合訓練を行うもので、社外・社外を問わず経験豊富な講師から、卓越した講義内容を聴くことができます。特に外部での講習の場合、他企業の人と机を並べて勉強することによる相互啓発が図れるなどの特徴があります。
自己啓発(SD)は、”Self Development” が、特に近年盛んになっています。企業や政府も補助金を出して、自己啓発として、通信教育や社セミナーへの参加を進めています。皆様の中にも、通信教育や社外セミナーを受講された経験をお持ちの方は多いのではないかと考えます。
これらの手法は、単独で用いるのではなく、組み合わせることで学びの効果が生まれます。
(1)Off-JTで学んだことを、OJTで実践する。
(2)OJTで実践する中で、不足する知識をOff-JTで得る。
(3)並行して自己啓発を行う。
職制により、これらの手法の軽重は異なりますが、必要に応じて使い分けることが大切です。
それぞれのメリット・デメリットを表に示します。
[OJT]
<概要>
・日常業務を通じた教育・訓練
<メリット>
・それぞれの職場のニーズに応じた教育・訓練ができる。
・仕事に直結した知識・技能の習得に適しており、実践力を養うことができる。
・知識と技能が一体的に学べる。
・日常業務のあらゆる機会に教育・指導ができるため、社内ルールや社としての仕事の姿勢など、環境育成することができる。。
・都度指導するので、成長の度合いに応じて計画を変更できる。
・長期間、繰返し指導ることにより、確固たる能力育成が可能になる。
・社内での育成のため、外部コストがかからない。
<デメリット>
・日常業務主体で指導する範囲が狭くなりがちで、専門領域・理論についての始動がおろそかになりがちである。。
・対象者が教育・訓練を受ける機会を均等に出来ないことが多い。
・訓練を受ける側が、必ずしも教育・訓練と受け取らず、注意や叱責と受け取られる場合がある。
・良い管理者が、必ずしも良い教育者とは限らない。
・その場しのぎの教育・訓練になりやすい。
・職制の長の考えに左右されやすい。
・職制の長に能力や意識に欠ける場合、計画的・累積的な教育・訓練が出来ない。
・全社的に考えると、教育・訓練の対象者・レベルが不均一になりやすい。
・職制の長の能力以上に、部下の能力を高めるのが難しい場合が多い。
・一般的に、教育・訓練不足になる傾向が多い。仕事の場が教育の場であるとの認識が弱く、教育・訓練が仕事の管理に付加される余分の仕事と考える傾向が多い。
・属人的な指導になりがちなため、教える側の考えや行動に大きく影響されやすい。
[OFF JT]
<概要>
・職場外もしくは社外講師による教育
<メリット>
・全社的、一般的なニーズに応じた教育・訓練ができる。
・基礎的、間接的な知識・技術の習得に適している。
・体系的な知識・技能の教育・訓練に適している。
・対象者を職場環境から切り離すことにより、教育・訓練に専念させることができ、新たな気付きが得やすい。
・職場では学べない、専門領域や理論の習得に適している。
・同時に多人数も対する教育が可能である。
<デメリット>
・内容が、一般的・抽象的・観念的になりがちである。現実に結びついた教育・訓練ができにくい。
・仕事に対して、局面的・部分的・細目的な見方・考え方がなされがちで、全体的・総合的・全般的な理解がされにくい。
・仕事から距離を置いて実施されるため、ややもすると現実性・具体性に欠けた教育・訓練になりやすい。
・教育・訓練のために時間的・労力的・金銭的な投資が必要なため、非生産的活動と捉えられやすい。
・職制の長が訓練意識や自己啓発に対する意識に欠ける場合、訓練対象者が受動的・消極的になりやすい。
・各個人の能力や特性に即応した教育・訓練が難しい。
・内容的にある程度は体系化されていないと、実施が難しい、もしくはマイナスの効果しか得られない可能性が大きい。
・ある程度の時間と場所が必要である。さらに外部講師を招く場合、費用面の考慮も必要になる。
・指導方法によっては、教育の過小・過剰になる可能性がある。
・指導方法や計画が適正でなければ、訓練対象者や対象となる職場の具体的な問題に、直接役に立たない教育・訓練が行われる危険性がある。
[SD]
<概要>
・自らの意思で行う能力開発
<メリット>
・能力開発の計画や予算を、自ら設定できる。
・自らの弱点や、補強しなければならない分野等、自分で学びを設定できる。
・学びの時間を、自分で調整できる。
・啓発手段として、外部セミナーへの参加や読書、資格取得など、さまざまな方法を選択できる。
<デメリット>
・自己責任のため、継続するために強い意志が必要である。途中で挫折する可能性がある。
・他社からのアドバイスを受けられないので、独りよがりになりがちで、本来強化すべき範囲から外れる可能性がある。
参考文献
TQCにおける問題解決法 日科技連出版社 1985年
ORG:2023/04/08