結果の保証とプロセスによる保証

結果の保証とプロセスによる保証(Guaranteed results and process)

スポンサーリンク

アフィリエイト広告を利用しています。

——-


結果の保証
外観検査や寸法検査など、プロセスのアウトプットとして得られた製品に対して品質を保証します。
製品そのものを検査により直接保証します。不適合品の場合は、製品の破棄または手直しを行います。

プロセスによる保証
「プロセスのアウトプットが要求される基準を満たすことを確実にする⼀連の活動」をプロセス保証といいます。品質をプロセスで作り込むことを意図しており、これを具体化するために、決められた手順及びやり方どおりにおこなう(標準作業)ことで、プロセスの最終アウトプットである製品やサービスを目的及び基準通りになるようにする活動をプロセスによる保証といいます。
(JIS Q 9027:2018:マネジメントシステムのパフォーマンス改善ープロセス保証の指針)
「品質は工程で作り込む」ともいいます。

 

プロセス保証とは

プロセス保証とは、⽂字どおり、プロセスを保証するということです。その⽬的は、ねらいどおりの製品を作るためです。そうすることにより、不適合品が減り、企業の利益確保と顧客満⾜度向上につながります。
プロセスによる保証は、ねらいどおりの製品を安定して⽣産するための基礎です。結果の保証を強化しても、安定した⽣産はできません。ねらいどおりの製品をつくれるプロセスでない場合には、製品の全数検査が必要となります。
「結果の保証」の活動の負担が激増し、非効率になります。そのため、狙い通りの製品ができるプロセスを保証することが重要になります。

 

プロセス保証の取組み

それでは、プロセスを保証するためにはどうすればよいのでしょうか。基本は、プロセスを構成する要因系の4M(人、設備、材料、作業方法)のばらつきを抑えることになります。プロセスを保証するために、以下に示す取組みを実行するのが一般的です。

① プロセスの条件を一定に保つ。
設備管理や、資材管理、作業管理などの4M系の個別管理を、組織全体で統合した作業標準体系として運用する必要があります。

② プロセスの工程能力を評価して改善を行う。
工程能力を調査・評価した結果から、必要なプロセスの改善を行います。工程能力が十分確保されるようにプロセス設計をする必要があります。

③ 工程能力調査により発生が予想される不適合について、検査・確認を行う。
プロセスが一定の条件で運用されていれば、発生する不適合は、特定の傾向を持つと考えられます。発生した不適合品を確実に検出できる、検査・チェックの仕組みを作って、不適合品が後工程に流れることを防止する必要があります。自工程完結の考え方が重要になります。

④ プロセスで発生した異常を検出して、プロセスに対して処置をとる。
プロセスが安定していない以上、要因系の条件がばらつき、異常を生じる場合があります。その場合、管理図などを活用してプロセスの見える化をはかり、発生した異常を早期に確実に検出できるようにして、その原因を追究・処置することにより良いプロセスに改善する活動を行います。さらに同種の不具合が発生しないよう、未然防止の活動が重要です。

これらの取組みを進めることにより、プロセス保証の質の向上がはかられます。

 

プロセス設計

プロセス設計は、通常は製品仕様が明らかになった段階で行います。ただ可能な限り、製品の仕様が固まらない時期にプロセス設計に着手して、不具合が予想される場合は、開発部門に迅速なフィードバックが必要です。初期流動管理では極力手戻りが発生しないようにして、早期にプロセスを確立することが求められます。
生産技術部門は、初期流動管理の段階で、プロセス保証ができている状態で初めて、製造部門へ移管することが可能です。これができていない場合は、結果の保証の負荷を増大させてしまい、何時まで経ってもプロセスが安定しません。

 

ORG:2022/09/26