初期流動管理

初期流動管理(Initial flow management)

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初期流動管理
初期流動管理とは、試作から量産移行する際に、初期の品質不適合が検出できるように、検出感度を高くして取組む特別管理のことをいいます。工程変更時(4M変化時)にも適用される場合があります。
DR(設計審査:デザインレビュー)時の情報をもとにして、管理特性の確認(品質上の重要管理項目に着目)、管理範囲の確認(数量もしくは期間)、品質の確認方法(検査方法)、異常検出精度の確認、合否判定基準の確認などを取り決めて、初期流動管理の資料にします。

 

初期流動とは、新製品・サービスの量産初期、あるいは大幅な設計変更または、製造工程の変更後の本格生産のように、新たな製品・サービスの製造を開始することをいいます。
初期流動管理とは、初期流動時においては、開発・設計段階および工程設計段階で予想しなかった、または検討不十分であった品質問題が顕在化する場合があるので、問題の早期発見、迅速な潰し込みを行うために、特別な管理体制をとることをいいます(図1)。

図1 初期流動管理の目的

開発・設計段階および工程設計段階では、品質・コスト・生産量などについて、十分に検討し生産段階で問題を発生させないようにすることが必要ですが、これらの事前検討が完全に実施され、すべての問題点を確実に是正することは、極めて困難です。

また、量産立ち上げをスムーズに行うために、工程設計や試作段階で様々な検討を行いますが、完壁な状態にすることは極めて困難です。例えば、工程FMEA を実施してトラブル予測したとしても、それに対する改善技術が未熟であるために、完全に抑え込むことはできない可能性があります。
なぜならば、人聞が予測することには限界があるからです。また、試作での製造条件と量産での製造条件が異なることも考えられます。作業者がその工程に対して習熟度が低い場合もあります。このため、初期段階で検出された問題点を摘出し、早期に是正処置をとるために、初期流動管理を行います。

初期流動管理では、例えば生産開始後の3カ月間、あるいは生産台数1000台までというように、あらかじめ定められた一定期間、あるいは量産品の品質および効率が一定レベルに達するまでの期間を設定して、管理を行います。

この期間に製造された製品・サービスを初期流動製品・サービスと定め、検査項目・管理項目の追加や、異常および異常傾向のチェック体制などを強化して、日常管理体制とは異なる詳細な品質情報を製造工程および市場で収集し、品質問題が発生した場合の早期発見を図ります。発見された不具合は、直ちに関連部署にフィードバックして、対策を行い、問題の拡大を防止しなければなりません。

 

参考資料
品質管理技術の見える化トレーニングツール   福丸典芳  日科技連 2009年

引用図表
図1 初期流動管理の目的  参考:品質管理技術の見える化トレーニングツール

ORG:2022/11/12