事実に基づく活動,三現主義,5ゲン主義

事実に基づく活動,三現主義,5ゲン主義(fact control etc)

 

スポンサーリンク

——-


事実に基づく活動,三現主義,5ゲン主義

事実に基づく活動
事実をデータで示して現状を把握して、原因と結果との関係を調査して対策することが重要。手法として、出来るだけ統計的な手法を活用して解析を行い改善を実施し、改善効果についてもデータに基づいて評価することが重要。

三現主義
三現主義は現場、現物、現実という三つの「現」をひとまとめにして表現した用語で、何か問題が発生したり、職場で改善活動を進めようとする場合、現場で現物を見ながら現実的に検討することが重要であるという行動のあり方。

5ゲン主義
5ゲン主義とは、三現主義の「現場・現物・現実」に、「原理・原則」を加え、三つの「現」と二つの「原(げん)」を組み合わせたもの。

 

事実に基づく活動(Fact Control)

品質管理は、事実に基づいて活動を進めなければなりません。事実をデータで示して現状を把握して、原因と結果との関係を調査して対策することが重要になります。手法として、出来るだけ統計的な手法を活用して解析を行い改善を実施し、改善効果についてもデータに基づいて評価することが重要です。

なお、これと対極的な管理活動を、KKD管理といいます。KKDは、勘(Kan)、経験(Keiken)、度胸(Dokyo)のローマ字読みの頭文字を取ったもので、ベテランのKKDにより問題点を見つけるというものです。品質活動の立場からは、絶対行ってはならない活動といわれています。

↑:ここまでは、QC検定対策のお話です。
 ここからは、少し違った観点からのお話です。
まず、IT用語として、KKD法というタームがあるそうです。システムの受注を目指す見積もりの際、ベテランのITエンジニアが、勘・経験・度胸で、受注金額を決めるやり方だそうです。システム設計から細かい仕様を決めるなどの作業をしていると応札に間に合わないことから、一般的に使われている手法とのことです。
また、製造業でものづくりを指導する立場の人たちの中にも、「KKDが必ずしも悪では無い」と意見を述べられているコンサルタントもおられます。現在のように意思決定の遅さが事業拡大の阻害要因になる時代では、ベテランが持つ暗黙知に基づく、素早い意思決定があってもよいのではという意見です。
私の個人的な意見ですが、この考え方は一部には正しいことも含まれていると思います。ただ、ベテランの知恵を若手にトランスファーする手段を体系的に持たなければ、そのベテランがいなくなれば終わりですし、OJTなどで伝承する方法も限られた人数の世界になってしまいます。やはり、ベテランの持つ暗黙知は、文書などに落とし込んで形式知に変えることにより、組織全体の知恵になり、組織の意思決定をぶれないものにすることができます。

ここにおられる皆様も、自分が持つ知識や知恵は、可能な限り形式知化する事により組織体の知識・知恵になるように心がけるよう、お願いします。

三現主義

三現主義は現場、現物、現実という三つの「現」をひとまとめにして表現した用語で、何か問題が発生したり、職場で改善活動を進めようとする場合、現場で現物を見ながら現実的に検討することが重要であるという行動のあり方を示したものです。

これを具体的に考えてみると、次のようになります。
①現場:それが起きているのは「どこで?(場)」を意味し、「その場所に行って(現地)」ということ
も意味します。
②現物:それが「どんな製品(品物)?」に起きているかを意味します。
③現実:それが「どんな状況になっているか?(実際になっている状況)」を意味します。

この三つの「現」を行動の基本原理として大切にすることで、問題の解決や種々の改善をより着実に進展させることに結びつきます。

三現主義は、ホンダの創業者である本田宗一郎氏が大切にした言葉で、ホンダの企業文化として今でも受け継がれています。

5ゲン主義

5ゲン主義とは、三現主義の「現場・現物・現実」に、「原理・原則」を加え、三つの「現」と二つの「原(げん)」を組み合わせたものです(「ゲン」はカタカナを使うのが一般的です。)。

現場に行っても、ただ漫然と状況を見ていても問題を発見・認識することはできません。そこで、三現主義を実践する中で、「原理・原則」に照らし合わせて、ある種の基準をもって物事を見ると問題点が浮き彫りになり、事実をより深く認識できるということから5ゲン主義が、デンソーの古畑友三氏により提唱されました。

ここで、
①原理:「事象やそれについての認識を成り立たせる、根本となる仕組み」)を意味します。
②原則:「多くの場合にあてはまる基本的な規則や法則」)を意味します。

原理というのは「てこの原理」とか「アルキメデスの原理」のように、自然現象に基づく基本的な理屈であり、これを利用することはできても、意図的に変更することはできません。例えば、永久機関ができるというのは、原理に反するもので存在は虚偽になります。
一方、原則は、「食中毒予防の三原則」とか「企業会計原則」のように、過去の経験や論理に基づいて人が作ったルールなので、適用条件によって変化し、意図的に変更することも可能なものです。
例えば、アーク溶接で具体的に考えてみると、次のようになります。
原理については、「空間的に離れた導電性の素材(母材と溶接棒、主として鉄材)に電圧を付加させると、期待の絶縁が破壊され素材感に電流が流れ、同時に強い光と高熱を発生します。このとき発生する弧状の光をアークといい、アークにより発生する熱により素材を溶融・融合させた後、冷却、固化させることによる接合方法」ということであり、
原則については、「鉄の溶融温度になるよう、○○ボルトの電圧で、〇〇アンペアの電流を流す」とい
うことになります。


なお、品質関係の本ではあまり書かれていないように思うのですが、トヨタがその原点として挙げているのが「現地現物」です。この言葉は三現主義と似ているように思われますが、この考え方はトヨタ自動車の始まりから大切にされた言葉(考え)です。
トヨタウェイ2020にも、「ものをよく観る」の中に書かれています。コロナ禍で「現地現物なんてできないよ」という意見もありますが、そんな皮相的な考え方はせずに、その精神を深く汲み取って頂きたいと考えます。
管理人個人の考えですが、「現地現物」という言葉は、「三現主義」や「5ゲン主義」のように、何か説明をつけないとわからないタームではない、ものづくりの本質を示す言葉だと思います。

 

参考資料

 

ORG: 2022/ /